エクマットラ

■ストリートチルドレンへの教育支援活動
1日の大半を路上で生活するストリート・チルドレンと呼ばれる子ども達が、バングラデシュのダッカ市内だけでも30~40万人も存在します。
社会の中で最も抑圧され、機会の与えられない彼らに対し、教育を通して少しでも自立のチャンスを提供すること。それが私たちの活動です。
　私たちが毎週行っている青空教室では、歌・踊り・演劇や絵などを通じ、子供たちは読み書き・計算などを含めた社会で生きる上で欠かせないライフスキルを楽しみながら学んでいきます。教育の機会を提供し学ぶことへの意欲をかき立てること、そして何より彼らの親たちへ教育の重要性を説くきっかけの場としてます。
また、現在はそうした子供の母親たちを含めた貧困層の女性を支援する一環として、ハンディクラフトトレーニングも始まりました。
　エクマットラチルドレンホーム（シェルターホーム）では、共同生活や学校での教育を通じて、一般的な社会性と知識を身につけていきます。子ども達が安心して住める住環境を整え、信頼出来る仲間やスタッフたちと24時間生活を共にすることで、社会に出るための準備を少しずつ進めていきます。
　そしてエクマットラ・アカデミーでは、子供たちが社会に羽ばたき独立していくための最終準備を行います。このアカデミーでは、コンピューター、英会話、ホスピタリティー＆ソーシャルワーク、クリエイティブデザイン、メディア事業・起業塾などが設置され、子ども達がエクマットラを卒業し社会で生活していくためのスキル・能力を養う場となります。
　そして将来的には、このアカデミーを卒業した元ストリート・チルドレンの子どもたちが社会で活躍することで、次の世代のストリートチルドレンたちの夢や目標になること、そうしたモデルを作っていくことが私たちの使命です。
その子供たちの中からエクマットラのスタッフとして働きたいという子供たちが出てきたら、彼らがこの活動を引き継いでいき、私たちがいなくなってもこうした活動が回り続ける仕組みを構築していくこと、それが私たちの夢でもあります。

■啓発活動
バングラデシュ社会の中で恵まれた暮らしをしている富裕層や、成長の恩恵を享受している人々に対し、最下層で生活する人たちが実際にどのような生活を送り、どのような不遇を受けているのかを伝え、彼らの行動・意識を変えていくこと、これが私たちの行う啓発活動です。
2009年4月には、ダッカ市内に生きるストリート・チルドレンの実状を描いた映画『アリ地獄のような街』を制作し、ダッカ市内の大学等の教育機関数十カ所で上映を行い、1万人以上を集客しました。その後、映画の影響を受けた地元の大学生が、エクマットラの活動に参画するなどの成果が出ています。
またこの映画は日本を始め諸外国でも上映され続け、ストリートチルドレンの現状をリアルに描いた映画として注目を集めています。